イベント・セミナー

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2016.05.24

5月21日(土)実施「2016年 大学ソリューションセミナー in 東京」レポート「エビデンスベースト」の大学改革へ ー教育経済学が、未来を変えるー 中室牧子氏登壇!

5月21日、東京・御茶ノ水ソラシティで開催した「大学ソリューションセミナー in 東京」では、北海道から九州まで全国の国公私立70大学より約100名の大学教職員の方々が参加。高大接続改革、3ポリシーの実質化などで、大学の質的転換が迫られるなか、真剣で熱のこもったセミナーとなりました。今回はテーマを「エビデンス・ベーストの大学改革へ -教育経済学が未来を変える-」とし、基調講演では慶應義塾大学准教授であり、ベストセラー『「学力」の経済学』の著者でもある中室牧子先生にご登壇いただきました。

中室先生は、海外のさまざまな教育効果の測定事例を取り上げ、「相関関係」ではなく「因果関係」に着目すべきことや「手段の目的化」に陥らないようにすべきことなどの本質に触れながら、教育効果や教育投資におけるエビデンス(科学的根拠)の重要性を強調されました。また、子どもの将来の成果を決定する上では「非認知能力」の重要性が高く、なかでも「自制心」と「やりぬく力」「勤勉性」などは、収入や昇進にも影響を与えるとの実証事例を紹介されました。参加者の方々も問題意識を共有され、講演後の質疑応答の時間には、大学教育や教務上の課題に引き付けた具体的な質問が相次ぎました。

2人目の登壇者、摂南大学教授の荻田喜代一先生からは「入学前教育を用いたIRとその活用」と題しての講演をいただきました。弊社eラーニング・リメディアル教材で学習した学生たちのデータを分析した結果、その学習行動タイプによって入学後の成績評定、退学率、留年率、インターンシップ参加率などに明確な違いが出ることの実証事例の説明がありました。これを受け弊社からは、入学前教育eラーニングのログデータから導かれる学習タイプ、およびアンケート結果から分かる学習観・学習動機*と成績とのデータ分析結果を紹介させていただきました。

その後の情報交換会でも各所で活発な議論や意見交換がなされ、参加の皆様からは、
「今日のテーマは非常に興味深く、教育も勘に頼らずエビデンスが必要だと感じた」
「非認知能力は大学からでも養成できる、との言葉に意を強くした」
「大学教育でも自学の特色を明確にしていくことの重要性を改めて感じました」
「情報交換会では、自学でも取り入れられそうな、生の事例を聞くことができた」
「どこも同じような課題をかかえていることが分かって、むしろ改革を進める気持ちが強くなった」
などの感想が寄せられました。また、「グループディスカッションは、もう少し時間がほしかった」との課題も少なからずいただきました。今後の運営に生かしていくことを、この場を借りてお伝えします。

総じて、今回のセミナーも大変好評のうちに終わることができました。これも皆様のご支援のお陰です。

ワオでは引き続き、大学改革に資する情報やノウハウを皆様に提供して参ります。次回以降のセミナーも、ぜひご期待ください。

※学習観・学習動機については、東京大学・市川伸一先生の調査項目を、許可を得て使用しております。

<出典>
市川伸一(1995)「学習動機の構造と学習観との関連」『日本教育心理学会総会発表論文集』37,177
市川伸一(2001)『学ぶ意欲の心理学』PHP研究所

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